26 9月 2023
2023年09月26日(火)
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上下水道料金改定案に反対しました

9月25日(月)、私が所属している民生地域常任委員会で、
付託を受けた議案について審査しました。

民生地域常任委員会で審査した内容は次の通りです。

●施設使用料等の改定の為の条例改正
・ゆぴか
・伝統産業会館
・こだまの森 グラウンドゴルフ場

●福祉医療費助成事務でのマイナンバー活用のための条例改正

●上下水道使用料の料金改定のための条例改正

●市道の破損による車両事故の賠償額の決定と和解

●浄谷団地跡地の売却

●新都市南北線北工区の工事繰り上げ

物価高の影響もあり、受益者負担の観点からも各施設使用料の見直しが令和元年以来に行われ、税金が投入されている金額と個人負担の乖離があまりにも大きい部分等について改定をしたいというものです。

利用者目線で考えると、当然使用料は上がらない方が良いと思います。

しかし、維持管理コストが上昇する中、使用料がそのままということは、
簡単に言ってしまうと結局その上昇分を皆さんの税金で補填することになります。

分かりやすく、ゆぴかを例に挙げますと、
皆さんの税金を投入して入浴料の金額を維持するのではなく、
ゆぴかを利用する方がある程度負担すべきと私は考えます。

(しつこいですが、当然値上げがない方が利用者としては有難いですけどね。)

また、グラウンドゴルフ場については、期間等の明言はありませんでしたが、
市民は免税で無料にするというご発言が市長よりありました。

私はグラウンドゴルフの使用料だけ減免で無料となるのは理解できない部分がありますが、

今回の見直しで値上げになった施設等について、
これからも一層の経費削減に努めていくとのことで私も賛成し、
委員会では可決となりました。



上下水道については、
結論から言いますと私は委員会で反対しましたが、
賛成多数で可決となりました。

これまで、13mm口径だと、
月に10㎥の使用量までは上水道1298円、下水道1265円の基本使用料(税込)となっていました。
使う量がゼロであっても、10㎥であっても料金が同じということです。

それを今回、10㎥まで同じ金額という設定をなくし、
基本料金を上下共に660円に変更し、加えて使った分を払って頂くという改定案で、使った分の従量料金が値上げになります。

具体的にどのように金額が変わるのかと言いますと、
ひと月に上下水道ともに8㎥利用した場合、
改訂前2563円(税込)→ 改訂後2432円(税込)
となり、安くなります。(※一月分での計算です)

しかし、9㎥になると、
改訂前2563円(税込)→ 改訂後2695円(税込)
となり値上げになります。
(消費税の関係で数円違うかもしれません、すみません)

2〜3人家庭で一般的に20㎥が月の平均使用量とされているようですが、
そのような家庭ですと、
一月あたり、上下水道合わせて
5533円→6149円で、616円/月の値上げになります。

上下水道は法律で独立採算制が定められており、
他の事業をコストカットして上下水道にお金を回すということができません。

上下水道は私たちの生活に非常に密着したものですが、
地中に埋められた上下水道管の老朽化の際の更新や、浄水場や下水処理場にかかる費用は莫大なものになります。

人口減少する中で、上下水道の収入で安全で安心な上下水道事業を維持していくことは全国的にみても課題が大きいこの状況下で、
私は今回の値上げは将来的な見通しを考えても仕方がないことだと考えています。

また、使用量が0の方も10の方も料金設定が同じであることを見直すことも賛成です。

しかし、今回の案では一月だいたい8㎥以下の方は実質値上げはなく、
例えば空き家など使用量がゼロの方は、
上下水道 2563円→1320円で、一月1243円の値下げになるということには反対です。

当局の説明として水道の使用量の少ない方は独居の高齢者の方や生活弱者の方が多いため、その方々には配慮して一部使用料を値下げしたいとのことでしたが、
水道使用量が少ないということが確実に生活弱者に結びつくわけではありません。
上下水道のシステム上からも、利用者の生活実態まで確認することはできず、
“一般的にそうであると考えられる”程度です。

生活困窮である方々を本当に救うのであれば、
その方々をしっかり抽出し、一般会計で負担すべきです。
独立採算制である水道事業の中で、他の方の使用料でまかなうべきことではありません。

誤解のないようにして頂きたいのですが、「生活弱者に配慮する」という考えを否定するものではなく、水道使用量の少ない方が生活弱者と必ずしも結びつかない点と、配慮するならば一般会計で負担すべきであるという考え方です。

上水道事業では、今回の値上げにより1億2700万円が増収、一部値下げにより2500万円が減収、トータルして1億200万円が増収となる見込みです。
一部値下げがなければ、従量料金の値上げ幅をもう少し抑えることも可能かもしれません。
例えば一般的な家庭の平均使用量20㎥を使用する方々の値上げ幅を少し下げることができるのではないでしょうか。
基本料金で安定的に収益を確保していく方が水道事業としても良いはずです。

2022年3月に公表された小野市水道ビジョンでは、2040年度から2059年度の20年間に大規模更新時期がきて、総額285億円が必要との試算を出しています。(この物価高で現段階でのその数字ももっと大きくなるかもしれません。)

今後も5年ごとに料金を見直していきたいと当局から説明ありましたが、
今後値上がり続けるのではないでしょうか。

それをもっと平準化していこうとか、ダウンサイジングしていこうとか、水道部の様々な努力があった上で、
私たち市民も安全で安心な水道を使うことができることの意識を改めて持つ必要があると思います。

私の考え方がどこまでこの文章で伝わるかはわかりませんが、
水道使用量が少なくて今回の値下げ案で使用料がお安くなる方々には申し訳ない考え方だなと自分でも客観的に理解しています。
これまで、上水道に関しては30数年料金改定がなく、
水道を使っていないのに高いとのご意見は多々あったようです。
しかし私は、総合的に考えてそのような判断に至りました。
委員会では賛成多数で可決となっており、本会議でも賛成多数となる見込みです。

28日(木)の本会議で議員全員で採決をして、この9月の定例会は終了となります。