9月定例会閉会しました
9月30日(月)に、8月29日から始まった9月定例会が閉会しました。
9月定例会で決まった主なこと
○令和5年度各会計の決算の認定
○令和6年度小野市一般会計補正予算
・定額減税しきれいない方に対し、差額を給付するための経費増額
・国庫補助金を活用して介護施設等の防災、減災対策推進のための補助金交
・高齢者のコロナワクチン予防接種への助成について当初の想定より単価が上昇したため増額補正
・大池総合公園、匠台公園、ひまわりの丘公園、榊公園、夢の森公園の遊具、照明、建築物等の補修、改築、更新の増額補正
・新部町の市道126号線の拡幅と交差点改良を行う増額補正
・市制70周年の小野ハーフマラソンを盛り上げるためにスタッフ用記念ユニフォームを作成する費用を大会実行委員会に助成する増額補正
○令和6年度各会計の人事異動等に伴う予算の補正
条例改正については、小野市立幼稚園預かり保育条例の制定などがありました。
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そして、新聞記事にもなっていましたが、議員提出により市議会議員を16人から14人にする条例改正案が出された件については、
9月定例会が終わっても、引き続き閉会中に審査することに決定しました。
審査は、議長を除く15人で構成する「議員定数検討特別委員会」で審査するということも決定しました。
これは、議員提出議案ですので、市長がこの議案に対して発言されることも、市民の皆さまにとっては分かりにくい構図となってしまいますが、
発信力のある市長が定例会の閉会挨拶や、市長ブログ、記者に対して、議員定数について発言しておられますので、私の立場からも現時点での自分の考えは残しておこうと思います。
まず、議員定数は議会内でしっかり合意形成を図った上で、結論が出されるべきものと考えます。
市議会は、選挙権を持つ住民の直接投票で選ばれた議員によって構成され、満18歳以上の日本国民で、引き続き3ヶ月以上市内に住民票がある住民には市議会議員を選挙する権利があり、選挙権を持つ満25歳以上の人には市議会議員に立候補する権利があるのは、皆さまもご承知のことと思います。
この点を踏まえ、議員定数は議員個人の話ではなく市民の権利に関わる話で、また議会の根幹に関わる重要な事項であると認識しています。
そして議員定数を含め、私の基本的な考え方は、
報酬は下げても議員数はある程度維持すべきと考えています。
報酬を下げたら優秀な人材が〜との意見もありますが、そうであれば小野市議会より報酬の高い議会議員の方が優秀であるということになるのでしょうか、
小野市議会より報酬が低い議会議員は、小野市議会議員より優秀ではないということでしょうか。
私はそんなことはないと思いますし、議員が議員報酬だけを頼りに生活する状況がそもそも望ましくないと思います。
議員専業のメリットもありますが、多様な働き方ができるようになったこの時代に、また、人口減少において労働力が不足していく中で、議員の仕事をしながら社会問題を解決するような事業を行うこともできます。それは相互に良い働きがあり、理想的であると考えます。
様々な立場の方が市民の代表として議会の構成員となれるよう、議員定数の削減は慎重に行うべきです。
私は20代で当選させていただきましたが、良いのか悪いのか、20代で感じていたことと現在の30代で考えることは全く同じではなく、関心のある分野に変化が出てきたのも事実です。
現在の小野市議会は、30代から80代の議員がおり、女性議員数も16名中7名ということで注目され、単純に見るとバランスの良い状況と言えますが、
20代の議員や子育て真っ只中の方も議員としていて欲しいと思っています。
しかし、著しい人口減少の中で、いつまでも同じ定数であることは当然ですが良いとは思わず、議会内で丁寧な議論を重ねた上で最終的に要所要所で決断していくべきです。
賛成派の議員は、「これまでから会派内で研究を重ねてきた」「議員のことなんだから議員自らで考えるべき」と仰いますが、
議会全体で十分に調査や議論がなされた上で、議会内で合意形成を図る努力がなされるべきで、
当然最後は議員一人一人の意思表示により決まりますので、そのご意見は、最終的な場面でのことではと思います。
こんな重要な問題を、議会として事前の調査や議論せずに議案として出しておらることにまず理解できませんでした。
今回の全ての発端は、7月6日(土)の神戸新聞に、加東市議会が加東市民に実施したアンケート結果に関する記事が掲載されたことです。
私の主観でしかありませんが、時系列を残しておきます。
議会としては記事が出たその翌週に、議長が神戸新聞の当該記事や、加東市や加西市が市民にどのようなアンケートをとったのか、どちらの議会も特別委員会を設置して時間をかけて協議しておられるので、そのアンケート内容を議員に共有するなどされました。
7月は常任委員会の視察が入っていたり、他市からの視察の受け入れ、6月定例会終了後の議会報の編集、組合議会、正副議長は各種団体の会合への出席や総会など様々な対応がある中、
7月中旬には、市長から「すぐにでも小野市議会も議員定数を減らすべきだ」との市長のお考えが議長に伝えられました。
7月下旬に、議員全員のスケジュールを調整し、8月2日(金)に議員協議会を開催して、近隣自治体議会の定数に関する取り組みを改めて共有するとともに、小野市議会としてどのように対応していくべきかを探りたい思いで議長は議員協議会を開催されましたが、一部の議員から議員定数の件について議員協議会では意見を言うべきではないなどの発言が事前にあり、個人的にもその協議会は煮え切らない会合となりました。しかし、この協議会では、誰一人として「加東市議会の新聞記事を受けて、小野市議会も定数減を考えるべき」とは発言しておらず、むしろ「小野市は加東市と状況が違う」というような主旨の意見が多くありました。
議員協議会を開催後も、市長から「議会は何をしているんだ、遅い、議会が動かないなら(要望書?議案?を)当局から出す」というような話が聞こえてくる状況で、
議長として議会運営委員会を開催しようと、副議長である私や、議会運営委員長・議会運営副委員長をはじめ、議会運営委員会に所属する議員に相談されたました。
しかし、提案者・賛成者、私、委員長を含む委員の皆さまから、市長のそのご発言が議長にあった状況下においても、「議会運営委員会を早急に開くべき」との意見は出ませんでした。
「当局からどのようなものが出てくるのかよくわからない状況なので、何かが出されたのなら、その時にしか対応できないのでは」「議長はバタバタしないで」というようなご意見があったため、議長は議会運営委員会を開催するという判断に至らなかったと私は理解します。
私自身も8月2日の議員協議会で、「小野市議会も定数減を考えるべき」との意見が一つも出ていないのだから、すぐに議会運営委員会を開くべきとは思わず、
私の会派としては、事前に決まっていた8月22日の議会運営委員会で特別委員会等の設置の議論をしたいと考えていました。
8月に入ってからも、組合議会、議員それぞれ研修の受講、報告書の作成、決算報告書等の読み込み、決算審査に向けた事前質問の提出、9月定例会での一般質問作成などに追われる状況でしたが、
市長は先日の9月定例会の閉会挨拶で、新聞記事が出た7月の始めからカウントし、「3ヶ月あったにもかかわらず」と発言されるのはいかがなものかと思います。
一部の議員で事前調整なく議案を提出されたのが8月20日の夜、当初から決定していた議会運営委員会は8月22日でしたので、議案の審査は約1ヶ月しかありません。
その点を正しく発信せず、「何もしていない」ということを印象付けようとされるのは非常に残念です。
そもそもですが、市長は職員がたくさんおられますが、議員に職員はいません。
議会事務局職員さんはおられますが、議員個人の仕事をサポートされる方々ではありません。
議会は合議制機関なので、市長のようにスピード感を重視できる場ではありません。
そこを同列に考えておられることにも違和感があります。
また、市長は、今回の議案は議員提出議案にもかかわらず、「自分が仕掛け人だ」ともおっしゃっています。これは市長室で話されたことかもしれませんが、
9月30日(月)の本会議の閉会挨拶において、市長ご本人こそ、市長室での私の発言を恣意的に切り取ってご発言されましたので、
私も市長室での市長のご発言は書かせていただきます。
私の考えはここに概ね記載していますが、この記事の中で言うとオレンジの太字部分の考えを、市長に恣意的に切り取られたと私は思っています。
恣意的とする理由は、何度か市長から「あなたも賛成と言った」と言われ、その度に「違います、それは私の発言の一部だけを切り取っておられます」とお伝えしたにもかかわらず、30日の閉会挨拶でも同じ発言をされたからです。
政治家同士の話のつもりで市長室に行かせていただき、意見交換等させていただいたにもかかわらず、他人である私の意見をご自身の都合の良いように切り取って勝手に公の場で発言されると、私としては市長への信頼がなくなってしまいます。
今後、またお話をさせていただく機会があるのであれば慎重に対応したいと思います。
(市長もこの投稿をご覧になられているようなので、敢えて記載します。大変恐れ入りますが、市長ご自身へのラブレターだと思ってお受け取りいただけましたら幸いです。)
今回の議案の提案者である市民クラブの方、賛同された公明党の方のお考えは、提案理由からも、本会議における質疑からも、総務の委員会での質疑からも、私の理解が足りないのでしょう、私には真意が伝わってきませんでした。
「市長から議案を出される前に」という想いがあったと質疑等を通して理解していますが、この重要な議員定数に関する議案を、なぜ事前調整なく出されたのか、本当に賛成してほしいと考えておられるのかがよくわかりません。
私としては、拙速に反対してしまうのではなく、当然賛成の可能性も探りながら、さらに慎重に審査するべきとの考えですが、市民クラブ・公明党は「継続審査に反対」とのことでした。
9月の定例会で、「賛成でも反対でも、とにかく9月に答えを出すこと」が一番の目的だったのか?と思ってしまいます。
とにかく次の一般選挙は2027年の春です。改正するとしても、最悪遅くても選挙の1年前に条例改正としたら、まだ時間はある状況です。
市民クラブと公明党が、この9月に結論を急ぐ理由は結局なんだったのでしょうか。
市長からは9月30日で副市長が1人退任されるからそれに合わせたかったとの想いはお聞きしました。
(それについても、市長が議員定数の条例には触れて発言するのに、副市長の定数条例は触らず、2人のままとされていることも違和感です。)
市長のお考えがそうだから、議員としても出したのでしょうか。
いずれにしても、その点について明確な理由は分かりませんでした。
ですがやはりどう考えても、議会内でこのような対立構造を作ってまで議案を出す理由もよく分かりません。
とにかく結果的に、議員提出議案として、9月に結論を出すことが第一の目的だったのであれば、その賛成多数は得られなかったということです。
議員定数を削減すると議員2人分の報酬等のコストカットにつながりますが、総務の委員会で、提案者に議会費全体としてはどのように考えているかお尋ねしましたが、そこまで考えておらず、とにかく先に議員を2人減らしてから考えたいとのことでした。
議会事務局の職員さんは現在5名おられますが、
議員の数を減らしたら、事務局職員は5人で妥当なのか、そういった議論にもつながりませんか?
議員一人当たり市民の数が…という議論が出るのであれば、事務局職員一人当たりの議員数ということも出てくる考えなのではと思います。(議会事務局職員は議員個人のサポートをしているわけではありませんし、現在の事務局職員数に異論があるわけではなく、色々な波及を考えなければならないのでは?という意味です。)
とにかく私はもっと大局で考えてから決断すべき事項だったと思います。
しかし、今回は既に議案として出てきてしまっており、14人が是か否かという議論しかできませんので大変残念です。
これらは、私自身の理解ですし、考えなので、皆さまは私の意見だけを鵜呑みにせず、市民クラブや公明党の方からもご意見をお聞きしてみてくださいね。
そして、議員定数の削減については議案が出されてから、議員各個人でそれぞれ市民の方へ色々なご意見をお聞きしていると思います。
でも聞き方一つで誘導できると思います。
賛成の立場の方が市民に問うのと、疑義をもっている私が市民に問うのとでは、市民の方のご意見も180度変わるのではないでしょうか。
なので、議会として客観的な意見を求める努力が必要だと思っています。
それはやはり、議員個人の問題ではなく、市民の皆さまの権利に関わる問題だからです。
そして、最後に改めて。
この議案については継続審査となりました。
議員定数を14人とするのが正しいのか否か、引き続きしっかり調査・審査して参ります。