視察2日目新バス交通システムについて
本日は、長野県から岐阜県に移動し、岐阜県岐阜市の新バス交通システム推進事業について研修を受けました。
岐阜市では、市営バスが年間5億円の赤字を出しており、平成16年末に民営化の実施が行われました。
そこで、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりが行われ、連節バスを全国4番目に導入、主に通勤・通学の足として、岐阜駅から路線延長約10キロ圏に3路線運行し、幹線・支線バスへの再編による公共交通ネットワークが構築されました。
幹線の強化として、カラー舗装されたバス優先レーンを導入し、一目でこのルートはバスが通っているとわかるようになっています。
岐阜駅周辺の都市部の環境は小野市と大きく違いますが、今回の研修で個人的に大変参考になったのは、岐阜市の郊外で走る市民協働の手作りコミュニティバスについてです。
18地区、それぞれの地域で住民がルート・ダイヤ・運賃を決定する運営協議会を設置し、地域住民・行政・交通事業者が一体となった運営をされています。
各地区でコミュニティバスの愛称をつけ、路線バス、鉄道、コミュニティバスとの乗り継ぎを考慮し、交通弱者に配慮したバス停の設置等、およそ2年の試行運行ののち、本格運行しておられます。
地域の高齢者密度により行政が地域に補助を出されていますが、
地域ごとに80〜200万の広告収益を得るなど、行政に頼りきりではない運営がなされているとのことでした。
主に自治会の区長を筆頭とした、運営協議会は各地域に500名ほど在籍されていて、月に1回協議会が開催されています。
例えば、バス停の組み立ても地域住民が自ら行い、計画段階から地域住民が参画し、経営感覚を持って運営する仕組みがつくられています。
行政が市民に”託す”ことは非常に勇気がいることですが、公共交通は自分たちの手で守らないといけないという意識が大切だとおっしゃられました。
理想の形とも言えるような実態があり、非常に考えさせられる内容でした。
本日の内に三重県に移動しました。
明日は四日市市のあすなろう鉄道の上下分離方式についてです。