視察2日目7/2のレポート
視察2日目は岩手県盛岡市の、もりおか復興支援しぇあハート村について研修を受けて参りました。
盛岡市は人口おおよそ29万5千人、面積886.47km2、岩手県の県庁所在地です。
東日本大震災では市内での死者はなく、阪神淡路大震災での小野市の被害に近いものもあったのではと盛岡市の方がおっしゃられていました。
しかし、お伺いしていると、アリーナの天板が200枚落下したり、市内全域で何日も停電が続いたりと、小野市の被害よりもとても大きなものであったようです。
盛岡市は復興支援推進の取組方針に、被災者・被災地が自立し自覚する事が大切だと考え、このフォローをする取り組みをされています。
その中の一つの事業として、しぇあハート村の運営をされており、実際に見学に行って参りました。
しぇあハート村は、復興を担う人材育成の観点から、進学のために盛岡市へ転入してくる大学生・専門学生を対象に、無償でシェアハウスを提供しています。
学生の主な困窮状況として、住宅の全壊や、両親の失業・減収が挙げられます。
URが保有していた仮説住宅の一部を無償で借り受けスタートし、
学生が共同生活をする他に、復興支援団体の活動拠点となるシェアオフィスや、ボランティア活動の拠点としてオフィスを提供するなど、復興の推進拠点として活動されています。
1か月に一回は、学生たちで集まり買い出しから料理を共にする”ごはんの会”や、震災の月命日である11日には灯篭で震災を忘れない為の活動を地域一丸となり取り組まれています。
しぇあハート村に居住する方だけでなく、周辺住民がボランティアなどでいつも駆けつけてくださるようで、とてもあたたかい雰囲気でした。
しぇあハート村の中ではコミュニティスペースもあり、そこでは学生自身の作品や、地域の方々の手作り作品が展示されるなど、発信の場ともなっていました。
立場や背景が違っても様々な人が復興に関わっていて、
住居していた学生も、卒業後地元に戻り地域を支える職種に就かれた方なども出ており、将来を担う人材育成の一助になっておられます。
また、デジコンシェアオフィスMORIOKAとして、しぇあハート村の中に企業もシェアオフィスをしておられるのがとても興味深かったです。
別の事業として、盛岡でデジタルコンテンツ産業を育て、日本・アジア、そして世界に通じる人材、企業の育成を目指し取り組まれており、
デジタルコンテンツ産業で東日本大震災の復興支援を行う団体を対象に、こちらも無償でUR保有の物件を使用し、期間限定ではありますがオフィスとして使用できます。
今回、復興支援の取り組みから防災危機管理についての学習が主でしたが、
私はこの”復興推進デジコンMORIOKA”の取り組みが大変印象に残りました。
盛岡から世界につながる人材、コンテンツを生み出すお手伝いを行政がされており、
これは小野市においても、今後必要な分野であると私は考えます。
先日の本会議の市長の答弁で、
“夢を追いかけて、小野市外に出ていく若者、世界に羽ばたく若者を留めるようなことはしなくてもいい、背中を押してあげるくらいの器を持った市であることも重要だ”
ざっくりとした市長の答弁を文章にしたつもりです、
市長の想いが全く違ったものになっていたら大変申し訳ないのですが、
私はこの答弁に関し、本当におっしゃる通りではありますが、
この盛岡市のように市内から世界へ通用する人材を育成する取り組みも今後検討すべき施策なのではと思います。
もちろん、市外に出たい人を止める必要はないと思いますが、
若者でも、小野市の為に何かしたい、力になりたいと考えている人は少なくないと私の友人を見ていても思います。
民間をサポートするという観点で今回の盛岡市の取り組みは、本当に印象に残りました。
初日に訪れた二戸市でもそうでしたが、
今回のしぇあハート村でも、民間の方がしっかり活動されているのを行政がサポートする、
まさに官民一体となって地域の為に活動をされていました。
小野市でも民間で頑張っていらっしゃる方々を市がサポートし、地域を盛り上げるような取り組みにしていかなければならないと考えています。
民間の仕事を行政が奪うのではなく、サポートしていくことが重要だと思います。
若い人が小野市にそのまま居たいと思えるよう、
現代とうまくマッチングした職業を生み出すサポートをしたり、昔からある職人の仕事を違った見せ方をして興味を持たせるなど、やはり若者の流出を防ぐよう何らかの努力が必要だと私は思います。